月曜美術館139
没後120年記念絵画の冒険者
暁斎Kyosai-近代へ架ける橋-
京都国立博物館 2008/4/8~5/11
今回の展示は暁斎初めての大回顧展です。多彩な画風、そして多産な作品量であった彼の画業を一まとめにすることは不可能なので、〈「狂斎」の時代〉・〈冥界・異界、鬼神・幽霊〉・〈少女たつへの鎮魂歌〉・〈巨大画面への挑戦〉・〈森羅万象〉・〈笑いの絵画〉・〈物語、年中行事〉・〈暁斎の真骨頂〉と8つのセクションに分けての展示でした。どれも各セクションだけでもひとつの展覧会になりそうなほどの見ごたえです。
〈少女たつへの鎮魂歌(レクイエム)〉は暁斎のパトロンであった日本橋の卸売商・勝田五兵衛の娘、田鶴(たつ)を主人公にした40図にわたる画帖です。たつが若くして世を去り、昇天して極楽へ達する旅を色彩たっぷりに情感を誘う、なんとも音楽が聞こえてきそうなファンタスティックな物語仕立てです。
なかでも笑えてくるのが『地獄めぐり図』の市村竹之丞という歌舞伎役者の一行を描いた図で、おそらく生前たつは彼のファンだったのでしょう、望遠鏡で彼の顔を覗きみている、たつの視点を場面だてしている絵です。描かれている一行のなかで竹之丞の顔だけが丸く拡大されているのがおかしくて、また死後こんな画帖をつくってもたえた彼女が本当にうらやましくなりました。
この画帖は今回残念ながら全部みることはできませんでしたが、シークエンスの躍動感はCGで画像処理ができる現代でも遜色なく通用するもので、映画化とかしたら面白いだろうなあと妄想できて楽しいです。この画帖も入念な下絵がのこされており、そのデッサン力にも驚かされます。
| 固定リンク



コメント
私も行きました。<少女たつへの鎮魂歌>のセクションで、バックミュージックが流れていれば楽しかったのですが、如何でしようか。そのセクションだけの楽しい展覧会をすれば、少女たつの140周忌?の追善供養になるでしょう。
投稿: 月曜美術館ファン | 2008年5月13日 (火) 06時32分