月曜美術館163
秋の講演会と対談会
アジアとヨーロッパの肖像 Self and Other
国立国際美術館
gallarism in art ♯5 2008 画廊の視点
大阪府立現代美術センター
ここ大阪は芸術、いや、芸術そのものでなく美術館や画廊の不毛地帯といってもいいと思ってました。いつも東京が羨ましい状態で、今もそうです。
そうはいっても今は芸術の秋真っ盛りなので、関西一円でいえばいろいろ面白そうな展覧会が行われていて、全部は廻り切れないぐらいです。だから一番面白そうな展覧会へ足を運び、講演会などにも拝聴させていただきました。
アジアとヨーロッパの肖像展は、国立国際美術館と、国立民族学博物館両館で同時開催されるという、画期的な試みだったのですが、みんぱくに行ったあと国際美術館の展示を見ると、展示品が重複する部分があり、またあまりテーマに関係なさそうな、というと語弊がありますが、強引に出されたような作品があるのではないか、という思いがあり、展示意図がいまいち伝わり切らない、正直言うと期待はずれなものでした(すみません)。
しかし、福岡アジア美術館の黒田雷児氏による講演会は、アジア現代に絞ったものであったのにもかかわらず、「自己像と他者像」という、展示テーマの核心が聞けたような感じがしました。
もうひとつは、画廊主催による現代美術展ということで、ふだんなかなか大阪で画廊巡りということを目的にして足を踏み入れる機会がなかったので、新鮮でした。作品も今まで見たことがなかった作家のものがゆっくり見ることができて、これが無料で見れるのが画廊の醍醐味です。
でも、今回は展示そのものよりも、この機会に行われた森村泰昌氏と鷲田清一氏の対談会が目当てでした。二人は旧知の仲だということで、テーマを特に設けずざっくばらんに話してもらう、というものでしたが、確かにざっくばらんなのですが、要所要所で、哲学的な指摘というか、話しているうちに新しい考えが発見されていって、時間がかなりオーバーしてサービス満点な対談会でした。
また、実際ご本人たちを見比べると、下調べとか資料とかを持ってきてチェックしながら話していたのが森村氏、コピー用紙と文庫本だけ前にポンと置いただけの鷲田氏、ということでどちらが芸術家か大学教授なのかが分からない、という意外な一面も面白かったです。
ただし、講演者の場所の設定やマイクの調節が非常に悪く、それを一向に対処しようとしなかったため、聴衆もおそらく講演者もストレスのかかったものとなり、主催者の不手際が目立ったのが残念でした。これも無料の醍醐味でしょうか?(有料だったら怒り出す者がでそうな空気でした)
ともあれ、ふたつの講演会は図らずも内容的に「自己と他者」とか「自己意識」など繋がり合うものになったような気がして、深い秋の1週間となりました。
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コメント
森村さん×鷲田さんの対談行きました。出だしからマイクの調整が悪いのに、主催者(画廊)の微笑んでいる姿が見えました。これも、パフォーマンスかと思いました。画廊とミュージアムの違いがよく分かった一コマでした。
投稿: 森村×鷲田対談の拝聴者 | 2008年11月11日 (火) 05時58分