月曜美術館164
アジアとヨーロッパの肖像
国立民族学博物館 2008/9/11(木)―11/25(火)国立国際美術館 2008/9/30
国立民族学博物館と国立国際美術館、良し悪しは別にして、前者の方がこのテーマに全力投球しているように思えた。
民族学博物館の第4章「近代の眼」では、高橋由一「司馬江漢像」・原田直次郎「高橋由一像」・藤島武二「T氏肖像」・中原悌二郎「若きカフカス人」・岸田劉生「童女図(麗子立像)」などを、間を空けずに展示している。「美術作品」を、「歴史資料」「民族資料」として並べたわけだ。アジアかヨーロッパかということで割り切れ無くなった「近代」のありようを、高橋由一・原田直次郎・岸田劉生などの画家がもつまなざしに託したのだろう。しかし、あまりにもわざとらしい。
ところで、肖像画「童女図(麗子立像)」には、気味の悪い笑みを浮かべる麗子像の面影が現われ始めている。岸田劉生のまなざしは、麗子というモチーフを、デューラー風細密描写のリアルな麗子像、宋元画の不気味な寒山風麗子像、そして肉筆浮世絵を手本としたの「デロリの美」を湛えた麗子像にまで変身させていく。
「他者」の「手法」との出会いは、「自己/他者」という文化的差異の出会いというよりも、アジアとヨーロッパで進行していった「近代」に生きた「画家」がもつ「自己」という「個性」のまなざしに凝縮される。そのありようは、岸田劉生が東洋画と西洋画の境界を越えて描いたことに象徴されるのかもしれない。
(火)―11/24(月)
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