月曜美術館246
榎忠展
美術館を野生化する ENOKI CHU “Unleasing the Museum”
兵庫県立美術館 2011年10月12日~11月27日
5年前の大阪で初めて榎忠さんの展覧会を見ました。このときも大規模でしたが、今回も回顧展を兼ねた、さらにスケールアップされた展示となっていました。
この人の金属に対する執着心にはものすごいものを感じます。阪神大震災で生み出された鋼鉄の廃材のその切断面から、または飴のような屈曲から、人間の力では到底コントロールできない、得体の知らない力学を感じ、それは夥しい薬莢の山からも伝わってくるのですが、それらに照明があてられると、また違ったことを感じさせるというか、率直にいうと美しさを感じてしまうのでした。みんな展示されている鉄の作品、というよりも鉄のひとつの状態を曝しているという感じのほうがしっくりくるようです。破片や部品が大量に集められて凝縮されて(本当にスクラップされているものもあります)見るものを圧倒しています。展示の導入部は鋳鉄製のライフルが直列に2列で25丁ずつ計50丁、展示室では40丁×2列が非常に几帳面に並べられており、それには異様な執拗さを感じます。
今回は学芸員さんのレクチャーも受けました。図録を現在執筆中だそうで(今展示のです)、悪戦苦闘の表情がみてとれました。この展示室で昨晩は夜を明かしてしまったようで大変です。参加者が沢山いました。説明を聞いていると、ROSE-CHU(榎忠の別人格:女性というか女装)さんの声がきこえてきそうな感じでした。「そうよ。妄想は幻想になる前にカタチにしなければいけないのよ。」
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